年齢を重ねるごとに増える仕事。
そして、昨年また新たな制度が義務化されましたね。
『ストレスチェック制度』です。
職場の管理職ともなると、かなりの仕事量があります。
そのうえ、この制度についても勉強しなければならなくなると
ますます大変ですよね。
知らないでは済まされなくなってきている部下の心の健康。
この制度についても知らないでは済まされなくなっていますね。
ストレスチェック制度の目的は?
ストレスチェック制度の目的として挙げられているのは、
『会社全体で職場でのストレスを軽減するための対策を行っていきましょう。』
ということです。
この背景には、独立行政法人労働政策研究所・研修機構が2010年に実施した
『職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査』があります。
この調査によって56.7%の事業所で心の健康問題を
抱えている労働者がいることがわかり、会社としてメンタルヘルス対策に
取り組む必要性が出てきたのです。
ここで重要なのは、「仕事にストレスはつきものなので仕方がない。」
と考えてしまうと、この制度は全く役に立たなくなるということです。
そうではなく、働く人のストレスを可能な限り軽減すれば、
「仕事の効率が上がり、生産性を向上させることができる。」
と考えて対策に取り組むことが目的です。
実施義務の対象者は?
ストレスチェック制度の実施の頻度は、2015年12月1日から
2016年11月30日までの間に、1回目のストレスチェックを
実施しなければなりません。
その後も毎年1回は実施しなければいないことになっています。
次に対象者についてですが、原則すべての労働者が対象になっています。
ただし、次の労働者は義務の対象外になります。
・契約期間が1年未満の労働者
・労働時間が通常の労働者の所定労働時間の3/4未満の短時間労働者
さらに、ストレスチェックで、ストレスが高いと判断された人には、
面接指導を行わなければなりません。
また、ストレスチェックと面接指導の実施状況は、毎年、労働基準監督署に
所定の様式で報告する必要があります。
ストレスチェック制度の問題点は?
この制度の問題点の1つは、
『会社は実施者にはなれない。』ということです。
実施者は、医師、保健師、看護師、衛生管理福祉士の資格を
持ったものでないといけません。
これがどういう問題かというと、ストレスチェックの実施結果は、
実施者から労働者に直接通知されるようになっていて、
労働者は会社にその結果を開示する義務がないということです。
つまり何を意味しているのかというと、いくらストレスチェックを実施しても、
労働者が結果の開示に同意してくれなければ、会社はその結果を一切知ることが
できないということです。
また、労働者には、ストレスチェックに回答する義務もない上に、
たとえ回答したとしても、自分の現状をしっかり回答しているかもわかりません。
これらが、大きな問題として認識しておかなければならない点ではないでしょうか。
そうでないと、せっかく時間と労力をかけて、ストレスチェックを行っても、
その結果すら、知ることができない可能性があるのです。
これでは、義務化されているので、仕方なく実施しているという状況を招く可能性が
高くなってしまい、何のために実施しているのかわからなくなってしまうのです。
まとめ
ストレスチェック制度の目的は、会社全体で職場でのストレスを
軽減するための対策をしていこというものです。
実施は、年に1回義務づけられていて、毎年、労働基準監督署に
所定の様式で報告する必要があります。
ストレスチェック制度を有効活用するためにも、
労働者に目的をしっかり伝えることが大切です。